人気ブログランキング | 話題のタグを見る
柏市民に復帰した一年
柏市民に復帰した一年_c0069055_162149.jpg
ミゲル号。手賀沼付近の小道で撮影。


ご訪問、ありがとうございます。
今年は世の中の動きが激しかった一年でしたが、
私自身も引越しで生活環境が大きく変わった一年になりました。
約20年ぶりに柏市民に復帰してからは柏市界隈を徘徊し、
都会と田舎が同居する「とかいなか」を堪能しております。

当blogは、excite の無料サービスで約2年間、
blogger から通算すると丸6年になります。
これからも不埒な blog が続きますが、
今後ともよろしくお願いいたします。

2008年12月31日 侏儒(shuju)

*******
ドヴォルザーク/ 交響曲第9番「新世界から」第3楽章 第4楽章
カラヤン指揮、ウィーン・フィルハーモニーの演奏。
# by hikihitomai | 2008-12-31 17:33 | 物見遊山
小半ら酒  その5  原料
小半ら酒  その5  原料_c0069055_23162787.jpg


本日で今年の仕事は終了。
仕事納めと称して昼から飲んだ。
職場の会議室で飲む酒は、旨いも不味いもない。

差し入れの大吟醸酒は青リンゴのような風味であった。
そういった酒が賛美されるのだが、私は苦手。
かといって職場の納会の席で個人的な好みを披露するわけにもいかず、
お疲れ様でしたと飲むだけ。
旨いも不味いもない。
ただ酔っ払う。

吟醸や大吟醸など、精米歩合で酒を選ぶのではなく、
原料で選ぶべきだよなあと思いつつ青リンゴ風味の酒を飲んだ。

酒飲みになるまで、日本酒は米で作られるものとばかり思っていた。
しかし、現実はそうではなかった。
奥が深いというか油断ならないというか、原料にも色々ある。

日本酒を原料表示で大別すると、
 その1:米、米麹
 その2:米、米麹、醸造用アルコール
 その3:米、米麹、醸造用アルコール、糖類、酸味料

その1の酒を純米酒という。
日本酒でありながら純米酒と名乗るのは辛い状況である。
さらに不幸なことに流通量では純米酒は少数派。

その2や3で醸造用アルコールが使われる主な理由は、
安く大量に作ることが可能になるから。
戦後の物不足のとき発明された製法だという。
糖類や酸味料を添加する3の日本酒は主に紙パック詰めで売られている。
「糖類、酸味料」というのは要するに化学調味料のこと。
水アメが使われている酒もあるようだ。
添加物の事情を調べていくと
日本酒について「色々なこと」がわかるが、長くなるので省略。
「色々なこと」というのは、
日本酒が日本酒でなくなっていく過程のこと。

醸造用アルコールのアルコール度数を36度未満に調整し、
瓶またはペットボトルに詰めて販売すると甲類焼酎になる。

焼酎は「甲類」と「乙類」に分類される。
甲乙で分類すると甲の方が優れているような印象を受けるから、
昔ながらの製法で作る乙類焼酎は「本格焼酎」ともいう。
本格焼酎という呼称は、
本格でない焼酎(甲類焼酎)の存在を暗示しており、
本格焼酎を作る酒蔵の意地のようなものを感じるが、
大きなメーカは甲類も乙類も販売している。
また、昔ながらの製造方法にも色々あるから
「本格焼酎」といっても色々あるようだ。

乙類焼酎(本格焼酎)は一回だけ蒸留するので、穀物の風味が反映される。
一方、甲類焼酎は蒸留を繰り返して
純度の高いアルコールを作る製法なので穀物の風味は残らない。
風味が残らないだけでなく、原料の表示が曖昧なのが気になる。
穀物あるいは穀物のしぼりカスを原料に使うのだが、
何という穀物が使われているのか表示がない。
原料に「糖蜜」とだけ書かれた甲類焼酎もある。
そのわりに「天然の地下水を使用」と大書した商品があったりする。
穀物を秘密にして水を自慢する態度は、理解しろと言われても無理。

ビールの原料表示もなかなかどうして。
 その1:麦芽、ホップ
 その2:麦芽、ホップ、米、コーンスターチ
 その3:麦芽、ホップ、米、コーン、スターチ

その1と2だけかと思っていたら、あるとき3の存在に気がついた。
この頃、2を目にしなくなったから、いつの間にか2は3になったようだ。
「コーンスターチ」は「トウモロコシの澱粉」を意味するが、
「コーン、スターチ」は「トウモロコシと澱粉」という意味である。

前者はトウモロコシの澱粉だと宣言しているのに対し、
後者は何の澱粉かわからない。
これを澱粉カンプンという。
それはさておき、そういった原料表示を見るたびに、
油断ならないなあと、いらぬ勘繰りをしてしまう。
インチキな見世物小屋を題材にした小噺「六尺のオオイタチ」と同じかしら、と。
六尺の大きなイタチではなく、
六尺の板に血がついているから「六尺の大板血」というアレ。

澱粉などの副原料の使用は賛否両論だろう。
うまいビールなら原料を問わないという考え方には一理ある。
ただ、副原料を追求するとビールがビールでなくなると思う。
発泡酒や第3のビールが売れるのは値段が安いという理由のほかに、
ビールがビールでなくなりつつあることも一因だろう。

私は個人的な決め事として、
日本酒を飲むなら純米酒または純米吟醸酒、
焼酎なら乙類焼酎(本格焼酎)、
ビールは麦芽とホップで作られたものの中から選ぶことにしている。
穀物で作った、穀物風味の酒が好きだからだ。

米を極限まで磨きこんだ大吟醸酒などは、
イチゴのような香りがするものもあるし、
バナナジュースのような風味の酒もある。
今日、仕事納めで飲んだ酒は青リンゴのような風味であった。
そういった日本酒を飲まないのは、
高くて買えないことと、穀物の風味がしないから。

イチゴ風味やバナナ風味がいいなら、
イチゴジュースやバナナジュースを飲めばよい。
青リンゴが好きなら酒を飲まずリンゴを食う。
米の風味がなくて何が日本酒か。
なんてことを思っている私は、ここ数年、
日本酒とは疎遠になり焼酎ばかり飲んでいる。
乙類焼酎(本格焼酎)は、
穀物風味を楽しめる酒が多いことを知ったからだ。

*******
ビル・エヴァンス(Bill Evans)/ Waltz for Debby
# by hikihitomai | 2008-12-30 23:31 | 物見遊山
あとには何が残るのか
あとには何が残るのか_c0069055_2118212.jpg

世間は年末年始の休みに入ったようだ。
今朝の通勤電車はガラガラ。
私は明日まで仕事なので、ぶつぶつ言いながら出勤。
仕事があるだけ幸せというご時世だから文句は言うまい。

何年か前、日本の某自動車メーカは、
空前の経常利益を計上したのに労働者の賃上げ要求を拒否した。
最大手企業の経営指針は、他の企業に与える影響が大きい。
「某自動車メーカが発展を続けるとあとには何が残るのか」
と批判する文章を当時のブログ(blogger.com)に書いたら失笑を買ったものだ。

いわゆる派遣切りが社会問題になっている今なら、
私の言い分にも相応の理屈があったものと同意が得られるかもしれない。
少なくとも、経営が傾いてから賃上げを要求する「連合」よりは
まともな考え方だと自信を持っている。

今、自動車産業が危機に瀕している。
ニュースは、世界的な不況がその原因だと伝えている。
本当に不況が原因なのだろうか?
不況はキッカケではあったが、
車が売れなくなったことの根本的な原因ではないと思う。

もともと、車は売れ過ぎていた。
何度も同じことを書いているが、車は売れ過ぎていた。
必要な物が必要な数だけ売れていたのではない。
必要以上に売れていたのだ。

消費者が冷静になれば、不要な物は買わなくなる。
だから、車が売れなくなったことは、
異常な状態から正常な方向に振り子が動いただけのこと。
バブルが崩壊するのと事情は同じだ。
日本の主力産業といわれる自動車産業は、
そういう脆弱性を持ち合わせている。

車が売れ過ぎていたのは自動車メーカのせいではない。
売れる物を売れるうちに売れるだけ売るのが製造業の真髄だ。
買う側は押し付けられたわけではなく自分の意志で買ったのだから、
車が有用か否かは売った側の責任ではない。

「物作り」は美化される傾向があるから、
売れるだけ売るなんて表現は反感を買うだろうなあ。
そこで、たとえばNHKの「プロジェクトX」を見て感動した人に問いたい。
巨大なダムや長大な橋やトンネルの建設は技術的にも難しい。
幾多の困難を乗り越え、物を作る姿は感動的かもしれない。
けれど、そのダムや橋やトンネルは、
社会のインフラとして本当に必要なものだったのか?
政府や外郭団体によるいわゆる「ばらまき」を消化するだけの
プロジェクトではなかったのか?
そんな物を作ったプロジェクトを無邪気に賛美するのは、無責任ではないのか?
なんてね。

話がそれたので、自動車の話に戻ると、
ヘンリー・フォードが「T型フォード」を発売したのは
今からちょうど100年前、1908年のことだ。
現在の市販車もガソリン燃料で動く鉄板製の車という点において、
100年前のT型フォードと基本的に同じものである。
そろそろ「次」が普及していても不思議はない時期だと思うが、いかがだろうか。
「次」というのは、ハードウェアとしての「次の車」のことではなく、
社会的な交通システムとしての「次のサービス」のこと。

これも何度か書いているのだけれど、
車は走っている(使う)時間より、
止まっている時間(使わない時間)の方が圧倒的に長い。
そんな鉄の塊を、各個人が所有するのは資源の単なる浪費だと思う。

浪費のおかげで自動車産業は潤ったが、
その一方で、地方の鉄道やバスは次々と廃止され、
車を運転しない(運転できない)爺さん婆さんは
「生活の足」を奪われるという現実がある。
自動車産業が主力産業と言われる日本なのに、
社会的な交通システムはお粗末きわまりない。

その原因を自動車メーカだけに求めるのはフェアではないが、
これまでの100年がそうだったからといって、
これから先100年も「T型フォード」が売れ続けるとは考えられない。
そろそろ「次」に本腰を入れる時期だと思うのだが。

フォードといえば、ヘンリー・フォードは労働者を厚遇した。
目的は、熟練工を囲い込むことと、自社製品を購入してもらうこと。
労働者の生活を安定させれば、労働意欲も高まり製品の品質が高まる。
そういう考え方だ。
異論はあるだろう。

今日の日本では、
解雇されて社宅を追い出された派遣社員の中には
車を買うことができないどころか、
寒空の下、生命の危機にさらされている人もいる。
そうやって従業員を切り捨てて企業を存続させると、
あとには何が残るのだろうか。

*******
ピンク・フロイド(Pink Floyd)/ Another brick in the wall
# by hikihitomai | 2008-12-29 21:34 | 生き物
黄昏
黄昏_c0069055_22234333.jpg


*******
J・S・バッハ作曲/ 「ゴルトベルク変奏曲」からアリア
ピアノ演奏はグレン・グールド(Glenn Gould)、1955年盤。
歳を重ねるごとに演奏のテンポが遅くなったグールドの同曲初録音盤。
# by hikihitomai | 2008-12-28 23:15 | 物見遊山
柏市から見た富士山
柏市から見た富士山_c0069055_18521825.jpg
16時26分頃










柏市から見た富士山_c0069055_18523362.jpg
16時32分頃










柏市から見た富士山_c0069055_18524563.jpg
16時40分頃


*******
スキーター・デイヴィス(Skeeter Davis)/ The end of the world
# by hikihitomai | 2008-12-27 19:00 | 物見遊山