温室効果ガスの削減は、高尚な表現を用いると、 定常開放系から系外に排出するエントロピーを削減すること。 ここでいう定常開放系とはエネルギーを使う経済活動のこと。 人間の体にたとえると、 食べる量を減らさず体質も変わらなければ、 ウンコの量は減らない。 排便だけを減らすのは不可能、 急激なダイエットは健康を害する。 熱力学っぽく表現すると、 湯船に大きな氷を入れれば、氷が融けてぬるい湯になる。 そのぬるい湯を放っておいたら、 いつの間にか大きな氷ができて湯が煮えたぎった、 などという怪奇現象は起こらない。 怪奇現象を可能にするのは、「マクスウェルの悪魔」だけである。 今般、経団連が鳩山新政権に対する要望書をまとめたそうだ。 温室効果ガスの削減目標について、 国民負担の妥当性や実現可能性を踏まえて設定しろ、と。 経団連のその攻め方はどうなんでしょ? 「1990年比で25%削減」が不可能なのは誰の目にも明らかである。 目標を設定した本人だって認識しているはずだ。 先日も書いたとおり、 不可能を可能にするのは「マクスウェルの悪魔」しかいない。 排出権取引で他国から削減量を買い上げ、帳簿上で目標を達成する。 環境対策に名を借りたODAが無事完了し、メデタシ、メデタシ。 各国は日本の環境対策に期待しているのではなく、 排出権取引の拠出金に期待しているだけだから、 実現不可能な削減目標ほど高く評価されると思う。 違うかしら?
by hikihitomai
| 2009-09-14 22:39
| 植物
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