理論物理学者のリチャード・ファインマン(Richard Feynman, 1918-1988)は、 その愛すべきキャラクターで、世界中の人々から敬愛されている。 そのファインマンは、 ロスアラモスで「マンハッタン計画」に参画したことについて、 刺激的な告白を残した。 科学者としての人生において最も幸福だったと感じたのは、 「マンハッタン計画」の「結果」に対して 何の責任も感じる必要はないと悟ったときだ、と。 この告白に対して、倫理観の欠如を批難する者もあれば、 科学者の限界を指摘する者もいる。 「マンハッタン計画」で科学者のリーダーを務めたのはロバート・オッペンハイマーだ。 他にも、ニールス・ボーア、エンリコ・フェルミ、ジョン・フォン・ノイマンなど、 教科書に名前を残す科学界の大物が参加した。 そんなプロジェクトにあって、ファインマンはまだ駆け出しの若者であった。 当時の時代背景や、若い奥さんが不治の病だったことなども考慮して、 ファインマンを擁護する者がいるのも不思議ではない。 結果の重大さを思えば、軽々しく擁護はできないし、 擁護するつもりもないのだが、同時に、批難する気にもなれない。 あの告白は、良心に基づく正直な気持ちの表明であり、 科学者の立場を的確に表現しているように思えてならないからだ。 ******* "Across The Universe" から / Strawberry fields forever ♪ Living is easy with eyes closed.
by hikihitomai
| 2012-08-15 21:00
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