人気ブログランキング | 話題のタグを見る
聴力の衰え



聴力の衰え_c0069055_18362765.jpg




聴力をチェックしてみた。
先般、メガネの新調で目の老化を実感したとき、耳の老化も気になった。
実は好きな音楽がマトモに聞こえていなかった、
なんてコトがないかチェックしたのである。

チェックは簡単。
オーディオ・テストCDを再生すればよい。
1/3オクターブごとに正弦波が記録されているので、順番に聞くだけ。

一般的に、人間の可聴周波数帯は20Hz~20000Hz(20kHz) 。
加齢とともに、主に高音域が聞こえなくなるという。
そこで、高音域がどこまで聞こえるか確認した。

周波数の高い順に聞いた結果は次のとおり。
・20000Hz(20kHz)、聞こえなかった。
・16000Hz(16kHz)、聞こえなかった。
・12500Hz(12.5kHz)、聞こえなかった。
・10000Hz(10kHz)、聞こえた。

20000Hz(20kHz)まで聞こえるはずの耳で、
10000Hz(10kHz)が限界。
10000Hz(10kHz)は鮮明に聞こえるのに、
12500Hz(12.5kHz)はまったくの無音状態であった。

ちなみに、オーディオ・テストCDを購入した30歳の頃は、
16000Hz(16kHz)がはっきり聞こえ、
20000Hz(20kHz)はかすかに遠くで耳鳴りがするような聞こえ方をした。
その頃は耳の老化など考えもしなかったから、
20000Hz(20kHz)が聞こえ難いのは、
再生装置(主にスピーカ)の物理特性のせいだと決めつけていた。

それから25年。
老化は否定できない。
今回聞こえなかった周波数帯は、最高音域の1オクターブ分に該当する。
可聴周波数20Hz~20000Hz(20kHz)全体は約10オクターブなので、
聞こえる比率は全体の9割、ということになる。

 ※音程が1オクターブ上がると周波数は2倍になるから、
  20 × 2^a = 20000 とおいて、
  これを log2 = 0.3010 として計算すると、
  a = 3/log2 = 9.9667 ≒ 10 オクターブ


9割聞こえれば充分なのか、それとも、
1割聞こえないことは著しい老化なのか?

自分に都合の悪い話が聞こえ難いことを除外すれば、
耳が聞こえ難いと実感したことはないし、
音楽が変な聞こえ方をするわけでもない。

たとえばピアノ(88鍵)は、最低音を27.5Hzに調律すると、
最高音は 4186Hz(4.1kHz)になるそうで、約7オクターブ。
最も高い音が出せるというピッコロでも、約4.7kHz。
意外に上限が低いので、私の耳でも問題なく聞こえているはずだ。

ただし、それらは基音の周波数であって、倍音成分は考慮されていないから、
楽器の音色が違って聞こえている可能性はある。
まあ、心配しだしたらキリがないので、55歳のオッサンとしては、
「聴力が衰えているけれど概ねオーケー」といったところで手を打っておこう。

とはいえ、ちょっと気になるのが、いわゆるハイレゾの存在。
サンプリング周波数(192kHz)と量子化ビット数(24ビット)で単純計算すると、
最高音の周波数は96000Hz(96kHz)、ダイナミックレンジは144dBになる。
最低音を20Hzとした場合、
20Hz~96000Hz(96kHz)の音域は、12オクターブ分以上に及ぶ。

普通の人間には聞こえない高音域までカバーしている。
コウモリが発する超音波は30kHz~100kHzなのだが、
ハイレゾというのは、まさか。。。



*******
ストラヴィンスキー(Igor Stravinsky) /「火の鳥」から「カスチェイら一党の凶悪な踊り」「火の鳥の子守歌」「フィナーレ」

"YouTube Symphony Orchestra" は、力不足なのか練習不足なのか。
指揮者のマイケル・ティルソン・トーマス(Michael Tilson Thomas)は、
若手の指導に定評があるという。
その彼をもってしても、アラ探しのネタのような演奏は回避できなかったようだ。
聞かせどころだけに「火の鳥の子守歌」でのファゴットの余裕のなさが目立つのだが、
他にもあちらこちらに、ほころびがあるわあるわ。
by hikihitomai | 2015-12-15 21:00 | 物見遊山
<< 近所の紅葉 六義園、再び >>