獺祭、純米大吟醸50。 都内某所で購入。 一升、税込み3,078円。 柏高島屋でなかなか入手できなくなったので、 飲んだのは5年ぶりくらい。 獺祭は、今は亡きうちの奥さんが大好きだった酒である。 自ら進んで飲んでおきながら、ほろ酔い加減になると、 「ダンナさんったら、奥さん酔わせてどうするのよぉ」 うるんだ目で「いやんいやん」と首を振りながら体をくねらせるのであった。 この「いやんいやん」は、奥さんが最強モードになったときの決まり文句。 何を言っても、返ってくる言葉は「いやんいやん」で終わる。 挙句、私の首に腕を巻き付けて、頬ずりが始まる。 ときには、ほっぺたをベロベロ舐められたのであるが、 彼女の気が済むまで身を委ねるしかない。 「抱きつかなくても酒は飲めるだろ?」 「にぶいわねぇ、あなたを誘惑してるのよぉ、いやんいやん」 こういうとき、うちの子供たちは席をはずすか、見て見ぬふりを決め込む。 子供たちは基本的に母親の味方であった。 したがって、40過ぎの中年夫婦は、 よく言えばふたりだけの世界、 普通に言えば無視された存在となり、 うちの奥さんは存分に酒を楽しむのであった。 彼女は酔いにまかせ、普段は言えないような刺激的な言葉を使うようになる。 アタシはあなたのものよと耳元でささやくのである。 「アタシを滅茶苦茶にしてもいいのよ。きゃあ言っちゃった恥ずかしい。バカ、バカバカ」 バカはお前の方だろと言ったところで奥さんは聞いていない。 発作がおさまるまで待つしかないのである。 そして、刺激するだけ刺激しておきながら、 ついその気になってしまった私を放置して、 うちの奥さんは酔っぱらって眠りこけてしまうのであった。 まあ、そんなことを思いだすのは楽しいけれど、 なんだか涙が出そうになるのだから、だらしないね。 ******* ティノ・ロッシ(Tino Rossi)/ J'attendrai
by hikihitomai
| 2016-09-29 21:00
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