本屋に立ち寄ったときのこと。 サラ・ウォーターズの新作かと思って手に取ったら、ミネット・ウォルターズであった。 字面が似ている。 サラ・ウォーターズは新作が待たれる作家だ。 「荊の城 (原題:fingersmith)」が圧巻だ。 上下巻あわせて約800ページの長編である。 「荊の城」が素晴らしかったので「半身(原題:affinity)」も読んだ。 「半身」を先に読んでいたら、過大な期待感がなかった分だけ楽しめたと思う。 今のところ、日本で出版されているのはこの2冊だけである。 英国本国では他にも何冊か出版されているが、まだ翻訳されていない。 残念ながら原書を読む根性はないので、翻訳を待つしかない。 そういった、新作を期待する気持ちが早合点を招いたようである。 サラ・ウォーターズの新作ではなかったけれど、 ミネット・ウォルターズの本をめくっているうち、面白そうだから購入することに決めた。 きっかけは早合点であったが、これも何かの縁だ、 などと思いつつパラパラと斜め読みをしているうち、 それが「女彫刻家」であることに気がついた。 以前、読んだ小説である。あやうく二冊目を購入するところであった。 今回は重複を回避できたけれど、実は、何度か二冊目を購入している。 最後に重複したのは丸谷才一の「軽いつづら」だ。 文庫版が出ているものはそれを購入するのが自分で決めたルールである。 好きな作家の本だから、 たまには文庫版ではなくソフトカバーで読むという、 ささやかな贅沢をしようと思って購入したら、重複した。 思い返せば、一冊目も同じ理由で購入したのであった。 この失態に、少なからず動揺した。 まだ若いつもりでいたが、自分が知らないところで暗い闇が広がっている。 認めざるをえない。
by hikihitomai
| 2007-06-18 21:55
| 物見遊山
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